忍者ブログ
マイナー武将とは言わせない!
ここでは、遠江相良氏や肥後相良氏について語ります。
言うなれば、相良氏ファンサイトですよ。




 
[96]  [95]  [94]  [93]  [92]  [91]  [90]  [89]  [88]  [87]  [86
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

相良家の重要な位置を占めていた深水一族のうち、目立ってその名前を残したのが深水宗方長智(ふかみ・そうほう・ながとも)です。
彼が特に活躍し始めるのは、18代義陽の戦死後、嫡子忠房を次期当主に立てる頃からでした。
その頃は島津幕下体制に組み込まれたばかりで、隙あらば相良家が島津家に呑み込まれてしまいそうな勢いでした。
ここで腹の据わった態度を見せ付けなければ、「そんなゴタゴタしてるんなら、島津が管理してやるよ」と相良家の家督相続問題に介入されてしまいます。
その結果、島津の介入が続きゆくゆくは島津家に呑まれてしまう危険性があったようです。

しかし、敵は外ばかりでなく相良家内部にも。

忠房の叔父にあたり、義陽と同日に生まれた弟・頼貞(よりさだ)でした。
頼貞の幼名は「徳千代」でしたが、子供の頃から強情で、片意地なところがあったそうです。
その上、兄になにかと反抗。
父・晴広は、その性格から「成長すれば、必ずや領国を乱すであろう」と心配し、寺に入れることを遺言したと言います。
遺言通り頼貞は寺に入れられて庭柏寺(ていはくじ)の住持となりましたが、勝手に還俗し、八代から薩摩に移っていました。
そこに入ってきた情報が兄・義陽の戦死でした。
頼貞は甥・忠房よりも自分が領国を支配するべきだと考え始めます。

天正9(1581)年12月22日、頼貞は薩摩から兵を率いて大畑(おこば)に至りました。
この報を聞いた相良家は動揺し、頼貞を次期当主にしようとする者さえ現れ始めます。
しかも頼貞のみならず、豊後の大友氏や肥前の竜造寺氏に属そうとする者も出始め、相良家臣団内部は大いに荒れていました。
しかし、重臣深水長智や犬童頼安は、あくまでも忠房や義陽夫人を守護しました。
この騒動を「求麻錯乱」と言います。
その後、重臣らによる説得に負けて頼貞は兵を撤収させ、日向に退去しました。

頼貞の退去によって、郡内では落ち着きを取り戻しつつありました。
ですが、この求麻錯乱の解決には複雑な背景がありました。

騒動は相良家内部で済む問題ではなく、下手をすると島津家に飛び火する恐れあったのです。
その原因は、相良家臣団にある、前当主義陽を戦死に追いやったとする島津家への不満でした。
この不満が、求麻錯乱によって発展・増長し、暴発することを深水宗方らは危惧していたのです。
なんとか島津家と上手く共存できそうな状況になってきていたのに、ここで歯向かってすべてを崩すわけにはいきません。
さらに、この錯乱を島津家の介入なしで解決させなければ、忠房の家督相続時と同じような問題を引き起こす事態に陥るかも知れませんでした。

錯乱を本格化させる前に鎮静化させ、家中の動揺を取りまとめながら、深水長智は犬童頼安とともに毅然として島津との交渉に臨み、忠房の弟を人質に差し出すことで交渉を成立させ、難局を乗り越えました。
この頃の天草久種(あまくさ・ひさたね)書状には、忠房の元服と相良家「御連続之儀」を歓迎しているそうです。
義陽が生きていた水俣合戦以来、近隣領主らが相良家の存続を島津家に訴えてきた成果でもありました。

周囲が「あーだこーだ」と迷走しているさなか、深水長智は本当に相良家のためになる道を見極めて行動していたのですね。
深水長智特集は第2弾に続きます(^◇^)/ 23:56

↓相良氏ばっちこい!(押して頂けると、当ブログのランキングがアップします)
にほんブログ村 歴史ブログ 戦国時代へ にほんブログ村 戦国時代(携帯用リンクです)
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
深水サミットの実現へ
長智(宗方)さんの子孫です。
小生の家紋も梅鉢で、名前も「智」をいただいております。
相良村の深水観音で、ぜひ、一同に会し、深水観音を守り、発展させ、相良村への支援もしたいものです。そして、我々一同の元気につなぎたいものです。
いかがでしょうか!
深水 智明 2010/01/16(Sat)20:05:15 編集
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
こよみ
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
リンク
(劇)池田商会制作様

「『広目天の眼 不知火の海』公演特設サイト」(劇)池田商会制作様
2008年9月14日、九州戦国史を描く演劇を上演されました


黒い吟遊詩人氏

「狗小屋」黒い吟遊詩人氏
戦国島津氏が題材の「戦国島津伝」が完結し、現在は「志純太平記」を執筆されています


犬童頼兄日記

「犬童頼兄日記」
「殿様の御ために」日々働く犬童頼兄を創作


さがら紀行

「さがら紀行」
人吉旅行記


さがら検定

「さがら検定」
さがらマニア度を検定いたします


匠氏画廊出張所

「匠氏画廊出張所」
管理人の知り合い絵師・匠氏による武将絵です


歴史ブログ村

歴史ブログ村(PC用リンクバナー)
ランキングに参加させていただいています


歴史ブログ村(PC用リンクバナー)

来訪者数
さがら書簡
メールフォームです。
お気軽にどうぞ。
さがら書簡(別窓開きます)
アンケート
さがら本
Amazonにリストマニアを作成しました。

肥後 相良一族

肥後 相良一族
(池田こういち 著)


相良氏の基礎の基礎をおさえるには持って来いの一冊です。
当ブログでいちばんお世話になっています。

街道をゆく

街道をゆく3
陸奥のみち、肥薩のみち ほか

(司馬遼太郎 著)


司馬史観が、相良氏を斬る!
人吉のまちの様子が見えてきます。

関ヶ原

関ヶ原
(司馬遼太郎 著)


戦国時代を締め括る総決戦。
この大合戦から、相良氏を見てみる。
領内検索
いわゆるひとつの「ぶろぐ内検索」です。
最新CM
[12/12 LesFity]
[10/22 LesFity]
[09/19 ミルグレイン]
[08/18 何某]
[08/13 相良]
最新TB
管理人紹介
HN:
某N
性別:
非公開
職業:
藩校生
趣味:
九州
自己紹介:
身分:分家生まれ。尚且つ長子でもなし…。
欲しいもの:日本刀と笛
なりたいもの:相良氏の領民(笑)。
贔屓の相良氏:第11代長続公
バーコード
お天気情報
アクセス解析
忍者ブログ [PR]