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マイナー武将とは言わせない!
ここでは、遠江相良氏や肥後相良氏について語ります。
言うなれば、相良氏ファンサイトですよ。




 
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相良家の重要な位置を占めていた深水一族のうち、目立ってその名前を残したのが深水宗方長智(ふかみ・そうほう・ながとも)です。
彼が特に活躍し始めるのは、18代義陽の戦死後、嫡子忠房を次期当主に立てる頃からでした。
その頃は島津幕下体制に組み込まれたばかりで、隙あらば相良家が島津家に呑み込まれてしまいそうな勢いでした。
ここで腹の据わった態度を見せ付けなければ、「そんなゴタゴタしてるんなら、島津が管理してやるよ」と相良家の家督相続問題に介入されてしまいます。
その結果、島津の介入が続きゆくゆくは島津家に呑まれてしまう危険性があったようです。

しかし、敵は外ばかりでなく相良家内部にも。

忠房の叔父にあたり、義陽と同日に生まれた弟・頼貞(よりさだ)でした。
頼貞の幼名は「徳千代」でしたが、子供の頃から強情で、片意地なところがあったそうです。
その上、兄になにかと反抗。
父・晴広は、その性格から「成長すれば、必ずや領国を乱すであろう」と心配し、寺に入れることを遺言したと言います。
遺言通り頼貞は寺に入れられて庭柏寺(ていはくじ)の住持となりましたが、勝手に還俗し、八代から薩摩に移っていました。
そこに入ってきた情報が兄・義陽の戦死でした。
頼貞は甥・忠房よりも自分が領国を支配するべきだと考え始めます。

天正9(1581)年12月22日、頼貞は薩摩から兵を率いて大畑(おこば)に至りました。
この報を聞いた相良家は動揺し、頼貞を次期当主にしようとする者さえ現れ始めます。
しかも頼貞のみならず、豊後の大友氏や肥前の竜造寺氏に属そうとする者も出始め、相良家臣団内部は大いに荒れていました。
しかし、重臣深水長智や犬童頼安は、あくまでも忠房や義陽夫人を守護しました。
この騒動を「求麻錯乱」と言います。
その後、重臣らによる説得に負けて頼貞は兵を撤収させ、日向に退去しました。

頼貞の退去によって、郡内では落ち着きを取り戻しつつありました。
ですが、この求麻錯乱の解決には複雑な背景がありました。

騒動は相良家内部で済む問題ではなく、下手をすると島津家に飛び火する恐れあったのです。
その原因は、相良家臣団にある、前当主義陽を戦死に追いやったとする島津家への不満でした。
この不満が、求麻錯乱によって発展・増長し、暴発することを深水宗方らは危惧していたのです。
なんとか島津家と上手く共存できそうな状況になってきていたのに、ここで歯向かってすべてを崩すわけにはいきません。
さらに、この錯乱を島津家の介入なしで解決させなければ、忠房の家督相続時と同じような問題を引き起こす事態に陥るかも知れませんでした。

錯乱を本格化させる前に鎮静化させ、家中の動揺を取りまとめながら、深水長智は犬童頼安とともに毅然として島津との交渉に臨み、忠房の弟を人質に差し出すことで交渉を成立させ、難局を乗り越えました。
この頃の天草久種(あまくさ・ひさたね)書状には、忠房の元服と相良家「御連続之儀」を歓迎しているそうです。
義陽が生きていた水俣合戦以来、近隣領主らが相良家の存続を島津家に訴えてきた成果でもありました。

周囲が「あーだこーだ」と迷走しているさなか、深水長智は本当に相良家のためになる道を見極めて行動していたのですね。
深水長智特集は第2弾に続きます(^◇^)/ 23:56

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深水サミットの実現へ
長智(宗方)さんの子孫です。
小生の家紋も梅鉢で、名前も「智」をいただいております。
相良村の深水観音で、ぜひ、一同に会し、深水観音を守り、発展させ、相良村への支援もしたいものです。そして、我々一同の元気につなぎたいものです。
いかがでしょうか!
深水 智明 2010/01/16(Sat)20:05:15 編集
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