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マイナー武将とは言わせない!
ここでは、遠江相良氏や肥後相良氏について語ります。
言うなれば、相良氏ファンサイトですよ。




 
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深水父子 出奔。

犬童頼兄の勢力の増大に抵抗できなかった深水頼蔵は、ついに人吉の地を去ります。
長毎とともに伏見から帰るとき、彼は球磨には戻らず、(頼蔵のお祖父さんである)宗方以来なじみの深い佐敷(さじき)に行き、出奔して肥後の加藤清正を頼りました。
これを機に、父の織部(おりべ)も出奔。
彼らが逃げ出したのを見た頼兄は、2人の妻子を捕らえ、人吉城中などに監禁します。
湯前に居た竹下氏(以前、犬童氏討伐を企んだ人たち)が妻子の奪還を目論みますが、むなしくも失敗に終わりました。
犬童氏にスキ無し(笑)。
そして結局、頼兄の命令を受けた犬童久右衛門によって、深水氏一党73人は殺害されました。

その仕打ちを「頼兄の横暴」とした深水頼蔵は、「私怨」として伏見に訴え出ました。
石田三成は頼兄を召喚し(召喚魔法か←笑)、頼蔵と一緒にその行為…一党殺害について詰問しました。
犬童頼兄は、
「一党の処断は、自分が勝手に判断して行ったものではありません。主君長毎の命によって為したのです」
と答えます。
現に、長毎は頼兄に深水氏討伐の命令を書いた文書を渡していましたし、頼兄はそれを三成に提出しました。

これ以上どうしようもないほどの証拠を出されてしまった深水頼蔵。
不利は不利だけれど、不利どころじゃない不利っぷりですよ。
もはや勝ち目なし、と悟った頼蔵は、法廷から逃走するほどだったそうです。

それから改めて、三成から頼兄に頼蔵追捕の許可状が与えられました。
これで、より堂々と頼蔵を攻められるようになった頼兄。
しかし頼蔵は頼兄の追捕を逃れ、朝鮮に行く清正軍に従って、蔚山(ウルサン)城の攻防戦で戦死しました。

犬童・深水両一族の対立は、一方の死亡という結末で終わりました。

こうして、長毎政権下の犬童・深水の「両輪」補佐体制は崩れ去り、砂礫となり、犬童休矣・頼兄父子の独占体制がはじまります。
加藤清正と石田三成の仲が悪かったことは有名ですが、清正を頼った頼蔵と、三成を頼った頼兄の対立構図は、彼らトップクラス武将の抗争の一端にも持ち込まれた、とも言えるそうです。
地方の小大名の家臣ごときが、おっそろしいものに影響を与えたのですねー(笑)。

「諸人が憎しみを持っても、顧みないほどの御奉公をするほどの人物こそ、忠貞と思し召される者なのだ」

深水一族との対立に勝利した頼兄の言葉です。
自信に満ちている様子がうかがえます。
「殿様の御ため」を合言葉に働き、その結果、ついに自分が権力の中枢に達した。
そんな達成感を秘めているようにも思えます。
しかし。
それと同時に、彼はこのような言葉も残しているのです。

「自分には御家中では気心の知れた人は一人もいない」

きっと頼兄は、家中から冷ややかな目で見られていたのでしょう。
管理人から見ても、頼兄は少々強引で強欲な人に思えます(それゆえに好きですけど)。

孤独な権力者 犬童頼兄。
彼は家中の視線にもめげず、これからも彼らしい舞台を披露してくれます。
次回、「犬童清兵衛頼兄 肆」では、関ヶ原の合戦時の頼兄について書いていきます。 4:08

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